Salesforceが自律型AIエージェント「Agentforce for Sales」の日本語版の提供を2025年4月3日より開始。このAIエージェントは営業担当者の業務効率化を実現し、リード追跡や商談進捗管理を24時間365日自律的に行います。日本の営業担当者が営業活動に費やせる時間は週の32%に留まるという課題に対応し、付加価値の高い活動へのリソース集中を可能に。セールスディベロップメントやセールスコーチングなど特化型エージェントを提供し、営業組織の生産性と成果を向上させます。
日本の営業現場が抱える深刻な時間配分の課題
営業活動の成功は、いかに効率的にタスクを処理できるかに大きく左右されます。Salesforceが2024年9月に公開した「セールス最新事情」(第6版)によると、日本の営業担当者が本来の営業活動に費やせる時間は週の平均でわずか32%に過ぎないことが明らかになっています。
多くの営業担当者は、データ入力や資料作成といった反復作業に時間と労力を費やさざるを得ない状況にあり、本来注力すべき付加価値の高い活動に十分な時間を確保できていないことが大きな課題となっています。
AIエージェントによる営業業務の自動化と24時間対応の実現
「Agentforce for Sales」は、これらの課題を根本から解決するために設計されたAIエージェントです。24時間365日、自律的にリードの追跡や商談の進捗管理を行い、必要に応じて問い合わせ対応やデータ更新を自動で処理します。
これにより、営業担当者は重要な商談や戦略的意思決定に専念できるようになり、営業活動全体の生産性と成果を大幅に向上させることが可能になります。また、人的リソースの制約を超えて業務を拡張できるため、営業組織は常に最適な状態で業務を遂行でき、機会損失を最小限に抑えることができます。
「Agentforce for Sales」が提供する二つの特化型エージェント
Salesforceが日本市場で提供する「Agentforce for Sales」では、以下の特化型エージェントが利用可能です。
1. Agentforce セールスディベロップメント
営業担当者にとって、常に稼働しているチームメイトのような存在として機能します。製品やサービスに関する質問にAIエージェントが自律的にメールで回答し、顧客からの反論や異論にも適切に対応します。
また、営業担当者に代わって訪問や会議の日程調整を行い、インバウンドリードを24時間365日体制で継続的にナーチャリングします。これにより、営業担当者はより価値のあるタスクに集中できる一方で、AIエージェントがリードを営業プロセス内で進め、機会の取りこぼしを防ぎます。
・利用条件: Enterprise Edition、Unlimited Edition、Performance Edition、Einstein 1 Editionにアドオンライセンスを追加することで利用可能
・価格: 1つの会話につき240円から(標準的なボリュームディスカウントが適用)
2. Agentforce セールスコーチング(近日提供予定)
すべての営業担当者の専属コーチとして、いつでもサポートを提供します。営業マネージャーがすべての営業担当者や商談に対して個別のコーチングを行うことは困難ですが、このAIエージェントはその課題を解決します。
AIエージェントとのロールプレイを通じて、顧客への説明やプレゼンテーションの改善、異論や反論があった場合の切り返しなど、契約成立に至るまで必要なコーチングを提供します。営業担当者はCRMデータに基づいた一貫性のあるフィードバックをリアルタイムで受け取ることができ、各インタラクションを通じて継続的にスキルを向上させることが可能です。
さらに、コーチングの有無による成約率および失注率を詳細に分析し、ROI(投資対効果)を迅速かつ正確に評価することができます。
利用条件: Enterprise Edition、Unlimited Edition、Performance Edition、Einstein 1 Editionにアドオンライセンスを追加することで利用可能
価格: 1つの会話につき240円から(標準的なボリュームディスカウントが適用)
導入の容易さと高い適応性を実現する設計
「Agentforce for Sales」は、コード不要で設定可能なアクションやワークフロー、およびSalesforceが培ってきた実績ある営業のベストプラクティスを組み込んだテンプレートが揃っており、導入後すぐに活用できる設計になっています。
さらに、Salesforce Data Cloudを活用することで、既存の販売資料やトレーニング資料をはじめとする外部データを追加し、AIエージェントの精度と適応力を向上させることができます。
これらの自律型AIエージェントはEinstein Trust Layerを採用することで、高い安全性と信頼性を確保した応答を提供し、企業のセキュリティ基準を満たしながら安定したパフォーマンスを実現します。
Salesforceのデジタル労働力戦略の一環として
Salesforceは、2024年10月に「Agentforce for Service」、2025年1月に「Agentforce in Slack」、2025年3月に「Agentforce for Marketing」を日本市場で提供開始すると発表し、デジタル労働力を生み出すAIエージェントの提供を継続してきました。
今後もパートナー企業と協力しながら、AIエージェントの円滑な導入を支援していく予定です。
まとめ
Salesforceの「Agentforce for Sales」日本語版は、営業担当者が本来注力すべき業務に集中できる環境を創出します。24時間365日稼働する自律型AIエージェントが、リードの追跡から商談の進捗管理、顧客対応までを自動化することで、営業活動の効率と成果を大幅に向上させます。
導入の容易さと高い適応性を備えたこのソリューションは、日本の営業現場が抱える時間配分の課題に対する有効な解決策となり得るでしょう。セールスディベロップメントやセールスコーチングといった特化型エージェントを通じて、営業組織全体の生産性向上を実現します。
サービス詳細:https://www.salesforce.com/jp/