ChatGPTからSora動画が生成可能に
OpenAIがAI動画生成ツール「Sora」をChatGPTに統合する計画を明らかにしました。同社はDiscordで開催された金曜日のオフィスアワーセッションで、この方針を公表しています。
現在、Soraは2024年12月にローンチした専用ウェブアプリからのみ利用可能で、最大20秒の映画のようなクリップを生成できます。しかし、OpenAIのSoraプロダクトリード、ロハン・サハイ氏によれば、同社はSoraをより多くの場所で利用できるようにし、その生成能力も拡張する計画があるとのことです。
一般ユーザーへのアピール強化
OpenAIは当初、Soraをクリエイターや映像制作スタジオ向けにマーケティングしていましたが、現在はAI動画作成ツールとしての魅力を幅広いユーザーに訴求する取り組みを強化しています。
サハイ氏によれば、OpenAIはSoraをChatGPT内でアクセスできるようにする方法を積極的に開発中とのことですが、具体的な時期については明言を避けました。また、ChatGPTに統合されるSoraのバージョンは、ユーザーが映像を編集・結合できる現在のウェブアプリと比較すると、同レベルの制御機能を提供しない可能性もあるとしています。
ChatGPTの有料プラン強化策か
OpenAIがChatGPTでSora動画を生成できるようにすることで、より多くのユーザーをChatGPTに引き付けようとしている可能性があります。また、SoraをChatGPTに組み込むことで、動画生成の上限が高い有料サブスクリプションへのアップグレードを促す狙いもあるかもしれません。
サハイ氏によれば、OpenAIがSoraを別のウェブアプリとして立ち上げた理由の一つは、ChatGPTのシンプルさを維持するためだったと説明しています。
より多くの生成オプションを開発中
ローンチ以来、OpenAIはSoraのウェブエクスペリエンスを拡張し、コミュニティからのSora生成動画をブラウズするための方法を増やしています。サハイ氏はまた、Soraの単独モバイルアプリを「ぜひ構築したい」と述べ、Soraチームがモバイルエンジニアを積極的に探していることも明かしました。
さらに注目すべきは、OpenAIがSoraの生成能力を画像にも拡張する計画があることです。サハイ氏は、Soraを活用したAI画像生成ツールの開発を進めていることを認め、そのようなプロジェクトに関する噂を裏付けました。ChatGPTはすでにOpenAIのDALL-E 3モデルを使用した画像生成をサポートしていますが、Soraを活用した画像生成ツールでは、より写真のようにリアルな画像を作成できる可能性があります。
加えて、現在Soraウェブアプリを動かしているSora Turboモデルの新バージョンも開発中とのことです。
AIエージェント市場の競争激化
OpenAIのこうした動きは、MidjourneyやStability AI、Googleなど他のAI企業との競争が激化する中での戦略と見られています。特に動画生成AIは次世代のコンテンツ制作の主戦場になると目されており、早期にChatGPTという巨大プラットフォームに統合することで、OpenAIは市場でのリードを確保しようとしていると考えられます。
Soraが実際にChatGPTに統合された場合、一般ユーザーがテキストプロンプトだけで高品質な動画を簡単に作成できるようになり、コンテンツ制作のあり方に大きな変革をもたらす可能性があります。デジタルマーケティングやソーシャルメディアコンテンツ制作など、幅広い分野での活用が期待されます。
テキスト、画像、そして動画と、AIによる生成コンテンツの幅が広がる中、OpenAIがどのようにこれらの技術を統合し、ユーザーエクスペリエンスを向上させていくのか、今後の展開が注目されます。