企業経営において国際情勢の変化が及ぼす影響が拡大する中、迅速かつ的確な情報収集と分析の重要性が高まっています。株式会社三菱総合研究所(MRI)は、この課題に対応すべく、AIエージェントを活用した「インテリジェンス基盤」の構築支援サービスを3月5日より開始しました。
不確実性の高まる国際情勢と企業の課題
ウクライナや中東での紛争、トランプ大統領の再任など、国際情勢の急速な変化は企業経営に大きな不確実性をもたらしています。こうした状況下では、社内外の情報資源を早期かつ的確に把握し、経営の意思決定に活用することが必要不可欠です。
しかし多くの企業では、国内外の幅広い情報資源を網羅し、組織的に分析・評価する体制の構築や維持が課題となっています。特に昨今の労働力不足も相まって、十分なリソースを確保できない企業が増加しているのが現状です。
MRIの「インテリジェンス基盤」とは
三菱総合研究所が今回提供を開始した「インテリジェンス基盤」は、創業50余年のシンクタンクおよびコンサルティングファームとしての豊富な知見をAIエージェントに取り込んだサービスです。AIエージェントとは、人間の介入なしに目標達成のために最適な手段を自律的に選択してタスクを遂行するAI技術を指します。
このサービスは、MRIが既に提供している情報収集基盤「ロボリサ」と併せて、システムパッケージとして提供されます。具体的には以下の3つの要素で構成されています。
- コンサルティング
- AIエージェントのカスタマイズ
- 情報収集基盤導入
これらを組み合わせることで、顧客企業それぞれのニーズに最適化した「インテリジェンス基盤」を構築します。

三層構造で経営判断をサポート
「インテリジェンス基盤」は、企業が求めるアウトプットのレベルに応じて、さまざまなパッケージが用意されています。具体的には以下の三層構造で情報を提供します。
- マクロ環境変化の検知
- 事業環境変化の検知
- 企業経営へのインパクト評価
この構造により、少人数体制でも継続的なグローバル動向・競合動向・技術開発動向の収集や分析・評価が可能となります。また、顧客企業のインテリジェンス機能をMRIがAIを活用しながら代行するアウトソーシングサービスも用意されています。

本サービスの詳細は、4月15日開催のセミナー「トランプショックをチャンスに!AIエージェントを用いて国際情勢変化への経営対応力・政策立案力を強化」(https://www.mri.co.jp/seminar/20250415.html)においてご紹介する予定です。
活用事例と期待される効果
このサービスを導入することで、企業は以下のようなメリットを享受できます。
- 国際情勢の変化を早期に察知し、経営戦略に反映できる
- 少人数でも高度な情報収集・分析体制を維持できる
- AIの活用により、人的リソースを創造的な業務に集中させられる
- 情報の偏りを減らし、多角的な視点での分析が可能になる
例えば、ある製造業では、このシステムを活用して原材料市場の変動を早期に察知し、調達戦略の見直しにつなげたケースもあります。
今後の展開
MRIは今後、AIエージェント活用「インテリジェンス基盤」を以下のようなトータルソリューションとして展開していく予定です。
- AI活用推進体制の構築
- 利活用の定着に至るまで顧客と伴走するAI-BPO
- AI活用の技術移転
- 同基盤を活用した経営計画立案、事業戦略~実践に至る推進支援
さらに将来的には、事業ポートフォリオの管理や市場予測、財務分析、リスクマネジメントなど幅広い経営分野をカバーする「統合インテリジェンス基盤」へと進化させる計画です。
興味のある方は、4月15日に開催される「トランプショックをチャンスに!AIエージェントを用いて国際情勢変化への経営対応力・政策立案力を強化」というセミナーでさらに詳しい情報を得ることができます。
AIを活用した情報収集・分析の自動化は、今後ますます企業の競争力を左右する重要な要素となるでしょう。MRIの「インテリジェンス基盤」は、不確実性の高まる国際情勢の中で、企業が的確な経営判断を行うための強力なツールとなることが期待されます。