AI検索技術で情報格差の解消を目指すHelpfeelが、AIエージェント「Devin」がプロデュースする「インドア花見」を2025年4月2日に実施。AIによるデリバリー手配や乾杯の音頭など、イベント運営への関与を検証しました。同社は2025年内に独自のAIエージェントをリリース予定で、目的指示のみで複雑なタスクを自動化し、企業内の膨大な情報を活用した意思決定支援を目指しています。本記事では花見イベントの詳細と今後の展開を紹介します。
AIエージェントがプロデュースする未来の職場イベント
株式会社Helpfeel(京都府京都市、代表取締役/CEO:洛西 一周)は、AIエージェントの研究開発の一環として、2025年4月2日(水)に「インドア花見」を開催しました。このイベントの特徴は、AIエージェントが企画・運営の主役となり、飲食店へのデリバリー手配から乾杯の音頭、締めのスピーチまでを担当したことにあります。
生成AIの急速な進化により業務環境が大きく変化する中、AIがどこまで自律的に行動できるのか、実際に何を任せられるのかはまだ不透明な部分が多いのが現状です。この実験的な取り組みは、AIエージェントが職場イベントをプロデュースする体験を通じて、未来の働き方やエンドユーザーの利便性に触れる試みとして実施されました。
「Devin」が花見イベントをプロデュース
今回のイベントでは、米AIスタートアップCognition社が開発した世界初の完全自律型AIソフトウェア・エンジニアである「Devin」を活用しました。Devinは2024年3月に発表され、同年12月からは月額500ドル(約7万5000円)で利用可能となっているAIエージェントです。自然言語での指示を理解し、ソフトウェア開発の全プロセスを一貫して遂行する能力を持っています。
Helpfeel東京オフィス(東京都八丁堀)で行われたイベントでは、リアルタイムでDevinに「一番近いお店はどこ?」「お花見にあう料理を提案して」「10人分くらいあるといいな」などと人に頼む感覚で依頼しました。するとDevinがお店を選定し、おにぎり・サンドイッチ・唐揚げ・サラダなど、バラエティに富んだメニューの手配に成功。料理到着後はDevinの音頭で乾杯を行い、事前にAIが準備した「桜クイズバトル」でゲームを楽しみました。
参加者がDevinにデリバリー手配の感想を尋ねると、「自己採点は85点です、お花見には伝統的な和食(おにぎり)と、オフィスでの取り分けやすさを考慮してサンドイッチを組み合わせました」と答え、AIの人間らしい回答に場が盛り上がりました。

AIエージェントによる事前準備も実施
イベント開催に先立ち、社内実験としてDevinに事前準備を一部任せる試みも行われました。AIエージェントは具体的に以下の業務を担当しました。
- ・参加申し込みフォームの自動生成
- ・余興のアイデア提案
- ・お花見準備の実行支援
これらの様子は「AIエージェントにお花見の準備はできるのか?社内実験で検証してみた」という動画で公開されています。
Helpfeelの独自AIエージェント開発と今後の展開
Helpfeelは2025年中のリリースを目指し、独自のAIエージェントの研究開発を進めています。開発中のAIエージェントは、目的を指示するだけで、複雑なタスクを分解して分析・考察までを自動化し、データに基づく最適かつ迅速な意思決定を促進することを目指しています。
同社はAI開発に強固な基盤を持ち、慶應義塾大学環境情報学部教授であるテクニカルフェローの増井氏や、経済産業省の「未踏IT人材発掘・育成事業」で選出された「未踏スーパークリエータ」をはじめ、学術レベルのスペシャリストが多数在籍しています。この技術基盤を活かして、数年前から高度な自然言語処理(NLP)、特にナレッジグラフや生成AI活用(機械学習・深層学習技術)に関するアルゴリズムの研究開発を行っています。
今回のインドア花見プロジェクトは、こうしたAIエージェント開発の一環として実施されたものであり、今後の開発に活かされる予定です。

企業内情報の活用によるAIエージェントの可能性
今年2月に発表された同社の開発中のAIエージェントは、企業内の膨大な情報から横断的に解釈した結果をもとに意思決定を支援する自律型システムです。企業内には規約や製品情報といった確定情報のほか、マニュアル、ナレッジベース、社内Wiki、FAQ、議事録、対応記録など、流動的な情報を含む膨大なデータが存在します。
本来、複雑な課題に対しては、まず必要なタスクを洗い出し、その手順に沿って社内データや公開情報を参照し、必要なデータを抽出して整理した後、データを比較・分析し、考察を導き出して意思決定を行うといった複数のプロセスが必要です。
Helpfeelが開発中のAIエージェントは、目的を指示するだけで、あらゆる情報を信頼性や文脈を踏まえて整理・分析し、意思決定に必要な推論や提案を提供します。
まとめ
Helpfeelが実施したAIエージェント「Devin」によるインドア花見プロデュースという実験的取り組みは、AIと人間の協働の新たな可能性を示しました。デリバリー手配や乾杯の音頭、ゲーム準備といった複数のタスクをAIが担うことで、イベント運営の効率化と新たな体験創出が実現しました。
同社は2025年中に独自のAIエージェントをリリース予定で、企業内の膨大な情報を活用した意思決定支援を目指しています。AIを「人から仕事を奪うもの」ではなく、「人の思考や創造力を拡張するパートナー」と位置づけ、社員の創造性をサポートするAIの社会実装を進めていく方針です。
本イベントを通じ、AIがイベント運営の一部を担い、社員の業務負担を軽減する未来の可能性を体感するきっかけとなりました。Helpfeelは今後も、AIエージェントをはじめとするAI技術の研究開発を通じ、さらなる業務の効率化と人間の可能性の拡張を推進していきます。
サービス詳細:https://corp.helpfeel.com/