IdrasysがAIエージェント「GenAI Admin Portal」をリリース。各部署の業務効率化を一括実現

業務効率化
IdrasysがAIエージェント「GenAI Admin Portal」をリリース。各部署の業務効率化を一括実現

部署ごとに異なる業務課題に対して個別のAIツールを導入するのではなく、一つのプラットフォームで全社的な業務効率化を図りたい——。そんな企業のニーズに応えるAIエージェントサービスが登場しました。プロフェッショナル・エージェンシー事業を展開するクリーク・アンド・リバー社(C&R社)の子会社で、AI・クラウドサービス事業を展開する株式会社Idrasys(イドラシス)は、台湾でAIを活用したDX支援事業を展開するインツミット社が開発したAIエージェントサービス「GenAI Admin Portal(ジェン・エーアイ・アドミン・ポータル)」の提供を開始しました。

▼本サービスの詳細はこちらから
https://idrasys.co.jp/release_genaiadminportal/

各部署の細かなニーズに対応できる汎用性の高いAIエージェント

企業内の各部署では、それぞれ異なる業務課題を抱えています。そのため、「営業部門ではChatGPT、経理部門ではBard、IT部門ではCopilot」というように、部署ごとに異なる生成AIツールを導入するケースが少なくありません。しかし、このようなアプローチでは、コスト増加だけでなく、データの分断やツール間の連携不足といった新たな課題を生み出してしまいます。

「GenAI Admin Portal」は、こうした課題を解決するために開発された汎用性の高いAIエージェントサービスです。一つのプラットフォーム上で、チャットボットや音声会議記録要約、契約書・規則比較、コピーライティング、マーケティング、多言語翻訳など、さまざまな用途・形式のアプリケーションを作成することができます。

具体的には、各部門での活用例として以下のようなものが挙げられます:

  • 営業部門:チャットボットを利用した顧客対応の自動化
  • マーケティング部門:ソーシャルメディアや顧客レビューの分析による市場トレンドの把握
  • 人事部門:応募者の履歴書を自動でスクリーニングし、適切な候補者を選定
  • カスタマーサポート部門:よくある質問に対する自動応答システムの構築
  • IT部門:セキュリティインシデントの予測と対応
  • 財務部門:経費報告書の自動処理と分析
  • 製品開発部門:プロジェクトの進捗状況の自動追跡
  • 法務部門:契約書の内容を自動で解析し、リスクを特定
  • 研究開発部門:最新の研究論文の自動要約
  • 物流部門:在庫データのリアルタイム監視と最適な在庫レベルの維持

このように、「GenAI Admin Portal」は企業内のあらゆる部門の業務効率化に貢献することができます。台湾ではすでに政府機関や地方自治体、電力会社や地下鉄、航空会社などのインフラサービス企業など、数多くの企業・団体に導入されており、その効果が実証されています。

データの一元管理で情報共有を促進、高いセキュリティも実現

「GenAI Admin Portal」のもう一つの大きな特長は、データの一元管理機能です。テキストファイルやドキュメントファイル、スプレッドシート、画像、音声など、さまざまなファイル形式で各部門のデータをアップデートすることが可能で、全社でのスムーズなデータ共有を実現します。

また、クローズドのAzure OpenAI Service(AOAI)の環境でアプリ開発が可能なため、高いセキュリティ環境を実現しています。企業の機密情報や個人情報を扱う場合でも、安心して利用することができます。

直感的なインターフェースで誰でも簡単に開発可能

「GenAI Admin Portal」は、シンプルで分かりやすいインターフェースを採用しており、ITの専門知識がなくても、誰でも簡単に操作して生成AIアプリを開発することができます。ファイルのアップロードや設定の変更もドラッグ&ドロップで簡単に行えるため、各部署の担当者が自分たちのニーズに合わせたアプリケーションを素早く開発することが可能です。

また、「他の部署での活用方法を教えてほしい」「他部署の従業員の理解・協力も得たい」といった企業向けに、導入サポートや社員向け研修サービスも提供されています。これにより、企業全体でAIを活用した業務効率化を進めやすい環境が整っています。

導入事例から見る「GenAI Admin Portal」の効果

「GenAI Admin Portal」の効果を具体的に示す導入事例をいくつか紹介します。

台湾の電力系企業での導入事例

台湾の電力系企業では、社内向けに各部門独自のCopilotと全社で利用する汎用Copilotを導入しました。セキュリティ管理プラットフォームでは、セキュリティ保護管理体制を構築し、AOAIを活用したセキュアなアプリケーション環境を整備。汎用型AIアプリケーションとしては、生成型AIアプリケーションと生成AIプラットフォームを構築し、すぐに利用できる環境を整えることで生産性を向上させました。さらに、専用型AIアプリケーションとして、生成AIを各業務部門に統合してDXを促進し、各部門の業務効率を向上させています。

台湾の旅行代理店での導入事例

台湾の旅行代理店では、社外向けのカスタマーサポートCopilotを作成しました。人対応のチャットオペレーターに、プリセットされたFAQと対話を比較し、チャットボットの回答をエージェントに推薦回答として提供するシステムを構築。そのまま引用することもできるため、オペレーターの負担が大幅に軽減されました。生成AIの利用により、質問の理解と回答の精度が向上し、顧客満足度の向上にもつながっています。

札幌観光協会「さっぽろ雪まつり」での導入事例

札幌観光協会の「さっぽろ雪まつり」では、観光客向けに多言語での問い合わせ自動対応サービスを構築しました。AIチャットボットが質問内容を判断し、メニュー情報やよくある質問を参照した回答文を自動生成。AOAI/ChatGPTによる多言語翻訳(日本語、英語、中国語)での回答を提供しています。特にご当地グルメの紹介と飲食店へのスムーズな誘導により、お客様の満足度向上につながりました。

「GenAI Admin Portal」とは

「GenAI Admin Portal」は、台湾でAIを活用したDX支援事業を展開するインツミット社が開発した、Azure OpenAI ServiceとChatGPTモデルを統合し、企業向けに高度な会話型AIソリューションを提供するAIエージェントサービスです。トレーニングデータの自動生成や多言語対応が可能となり、効率的かつ高精度なサービスを実現します。

さらに、セマンティック検索や音声インタラクションなどの機能を通じて、社内外にかかわらず、さまざまな業務ニーズに対応します。社外向けには音声での予約受付やチャットボットなどのAIカスタマーサポート、社内向けにはQAチャットボットや音声会議記録要約など、多岐にわたる用途で活用できます。

AIエージェントによる業務効率化の時代へ

AIエージェントとは、生成AIやLLM(大規模言語モデル)など、複数の技術やデバイスを組み合わせ、人間に代わって幅広い仕事やタスクを自律的にこなしてくれるAI技術のことです。「GenAI Admin Portal」のような汎用性の高いAIエージェントプラットフォームの登場により、企業のDXはさらに加速していくでしょう。

特に、部署ごとに異なるAIツールを導入するのではなく、一つのプラットフォームで全社的な業務効率化を図ることができるという点は、今後のAI活用のトレンドとなっていくかもしれません。各企業が抱える課題やニーズは異なりますが、「GenAI Admin Portal」のようなカスタマイズ性の高いサービスを活用することで、より効果的な業務改善が実現できるでしょう。

【出典】