15言語対応のAIアバターで言語の壁を解消
メガネブランド「OWNDAYS」を展開する株式会社オンデーズとJetB株式会社は、AIアバター自動接客SaaS「うちのAI Avatar」を活用した訪日外国人顧客対応の実証実験を、秋葉原ラジオ会館店と心斎橋店の2店舗で開始したことを発表しました。
この取り組みでは、OWNDAYSの商品知識やサービス内容を事前に学習したAIアバターが外国人顧客への接客を自動で行います。特筆すべきは、英語、中国語、韓国語をはじめとする15言語に対応している点で、世界人口の90%以上をカバーする言語対応を実現しています。
スマホで簡単にアクセス可能なQRコード方式を採用
店舗での利用方法はシンプルです。店内に設置されたQRコードを顧客自身のスマートフォンやタブレットで読み取るだけで、AIアバターとの対話を開始できます。iPhoneやAndroid、iPadなど、デバイスを選ばず利用できる点も特徴です。
これにより、来店した外国人顧客は自分のデバイスを使って母国語で製品やサービスについて質問できるため、言語による意思疎通の問題が大幅に軽減されます。店舗スタッフの言語対応負担を減らしながら、顧客にとっても快適なショッピング体験を提供できる仕組みです。

人材不足解消と顧客満足度向上を同時に実現
「うちのAI Avatar」は、ChatGPTを搭載したアバター対話形式のAIチャットボットです。AIによる対応を人間を模したアバターで再現することで、人間が応対しているような印象を与えられるのが特徴です。製品・サービスの概要や企業理念、接客マニュアルなどを学習させることで、自社専用の接客スタッフとして機能します。
JetB株式会社によると、別の導入事例では、カスタマーサポート業務の70%の負担をAIが削減したうえ、顧客満足度は過去最高の94%を記録したとのこと。今回のOWNDAYSでの実証実験も、人手不足の解消と接客品質の向上を同時に達成することを目指しています。
AIエージェントの小売業界活用が加速
訪日外国人観光客の増加に伴い、小売業界では多言語対応の必要性が高まっています。しかし、あらゆる言語に対応できる人材を確保することは現実的ではありません。AIエージェントを活用した多言語接客は、この課題に対する有効な解決策となりそうです。
「うちのAI Avatar」のような解決策の特徴は、以下の点にあります:
- 時間の制約がない: AIは24時間365日稼働可能で、早朝・深夜・土日祝日でも対応できます
- マルチデバイス対応: スマホ、タブレット、PC、デジタルサイネージなど様々なデバイスで利用可能
- 拡張性の高さ: 一度導入すれば、複数店舗で同時に「同一の接客スタッフ」として機能させることができます
- 一貫したサービス品質: 人間のようにコンディションや経験による対応の差がなく、一定の品質を保てます
今後の展開
今回の「OWNDAYS秋葉原ラジオ会館店」と「OWNDAYS心斎橋店」での実証実験の成果を踏まえ、今後国内外の他店舗への展開を目指しています。観光地や外国人来店者の多いエリアを中心に、段階的に導入が進められる見込みです。
小売業界におけるAIエージェントの活用は、単なる人材不足対策にとどまらず、顧客体験の向上や新たな接客スタイルの創出につながる可能性を秘めています。JetB株式会社は今後も「うちのAI Avatar」を通じて、多様化する顧客ニーズに対応する革新的なソリューションを提供していくとしています。