株式会社マネーフォワードは2025年4月2日、AI戦略「Money Forward AI Vision 2025」を発表。少子高齢化による労働人口減少という社会課題に対応するため、「AIエージェント」「AIエージェントプラットフォーム」「AXコンサルティング」の3つのサービスを順次提供予定です。特に「AIエージェント」は自律的に作動する「デジタルワーカー」として機能し、企業のバックオフィス業務効率化と生産性向上に貢献します。
マネーフォワード、AI戦略「Money Forward AI Vision 2025」を発表
株式会社マネーフォワードは2025年4月2日(水)、新たなAI戦略「Money Forward AI Vision 2025」を発表しました。
この取り組みは、少子高齢化による日本の生産年齢人口減少という社会課題を背景としています。内閣府の「令和6年版高齢社会白書」によると、日本の生産年齢人口(15〜64歳)は1995年をピークに減少し、2050年には5,540万人(2023年から約25%減)まで減少する見込みとされています。
マネーフォワードは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションのもと、これまでアナログだったバックオフィス業務のクラウド化を推進してきました。特に、Businessドメインでは30を超えるプロダクトを提供し、データの自動取得や自動仕訳などのテクノロジーを活用して、個人事業主や法人、士業事務所の生産性向上とDXを支援してきました。
近年のAI技術の進化を受け、同社は従来のデジタル技術では実現できなかったレベルでのビジネス革新を目指し、AX(AI Transformation)を推進。特に「AIエージェント」は高度な自律性とタスク遂行能力を持つ「デジタルワーカー」として活用することを想定しており、これに伴い同社は「デジタルワーカー」市場への参入を表明しています。
「AIエージェント」で高度な業務自動化を実現
マネーフォワードの主力サービス『マネーフォワード クラウド』は、2013年にサービスを開始し、現在では40万を超える事業者に利用されているバックオフィス向けSaaSです。これまでもクラウド化を通じた業務効率化を支援してきましたが、データ入力やデータ整理といった反復作業、煩雑な部署間コミュニケーション、期日に追われる業務などは依然として時間的・精神的な負担となっています。
これらの課題を解決するために提供される「AIエージェント」は、次に対応すべき作業の提案やシーンに合わせたリマインドなど、高度な情報処理による自動化を通して業務効率と意思決定を支援します。特長のひとつは自律的に作動する点で、与えられた目標やタスクに対し、人間からの指示を待たずに自ら判断し、状況を分析して最適な行動を提案します。
具体的には、経費、会計、HR領域などで活用可能なAIエージェントの開発が進められています。例えば経費領域では、従業員が『マネーフォワード ビジネスカード』で支払いを行うと、自動で経費申請内容の提案が通知され、内容確認後の申請実行により、自動で上長への承認依頼の確認通知が行われます。
また、士業事務所向けには、必要な資料のリスト化とコミュニケーションツールを通じたリマインドを行う「資料回収エージェント」や、初めての取引でも精度の高い勘定科目をレコメンドする「勘定科目レコメンドエージェント」などの提供が検討されています。これらの各領域におけるAIエージェントは、2025年中に順次提供が開始される予定です。
「AIエージェントプラットフォーム」で外部エージェントとの連携を実現
また、『マネーフォワード クラウド』の各領域で活用可能なAIエージェントのラインアップを拡大する一方で、最適なAIエージェントをよりスピーディーかつ効果的に組み合わせて活用するためには、外部サービスのエージェントも併用できる環境が必要であるとの認識を示しています。
このような背景から、「AIエージェントプラットフォーム」の提供が予定されています。このプラットフォームでは、マネーフォワードが提供するAIエージェントに加え、外部パートナーが開発したAIエージェントもインストール可能となり、ユーザーが最適な組み合わせで活用できる環境を提供します。
さらに、士業事務所、販売パートナー、BPOパートナーなど、多様なパートナーとの共創を通じて、より効果的なAIエージェントの活用を提案できる「AIエージェントエコシステム」の構築を目指しています。
「AXコンサルティング」で企業の意思決定速度の向上を支援
マネーフォワードグループは、これまで企業のバックオフィス業務効率化を支援するため、SaaSの導入から運用支援まで、包括的なコンサルティングサービスを提供してきました。
新たに提供される「AXコンサルティング」では、最適なSaaSの導入・運用支援に加え、AIエージェントを活用することで、従来のシステムでは自動化が困難であった複雑な業務や、人間の判断が不可欠な高度な業務の自動化・効率化を実現します。
具体的には、契約書や請求書に基づく複雑な経理処理の自動化や財務分析、将来予測といった業務の高度化を支援し、業務スピードのみならず、意思決定スピードの向上に貢献します。このサービスは、マネーフォワードグループの経営管理・コンサル領域を担う新会社、マネーフォワードクラウド経営管理コンサルティング株式会社を通じて提供される予定です。
また、マネーフォワードエックス株式会社が提供してきた金融機関向けコンサルティングにも、AIエージェントを活用した「AXコンサルティング」が展開され、金融機関のあらゆる課題解決がサポートされます。
まとめ
マネーフォワードが発表したAI戦略「Money Forward AI Vision 2025」は、同社がこれまで取り組んできたバックオフィス業務のクラウド化をさらに進化させ、AI技術を活用した新たな段階へと移行することを示すものです。特に「AIエージェント」の自律的な機能は、人間からの指示を待たずに最適な行動を提案する「デジタルワーカー」としての役割を担い、企業の生産性向上に貢献することが期待されます。
さらに「AIエージェントプラットフォーム」によって外部パートナーのエージェントとの連携が可能になり、「AXコンサルティング」によって企業の意思決定速度の向上も支援されることになります。これらのサービスは2025年中に順次提供が開始される予定です。
少子高齢化によって深刻化する労働人口減少という社会課題に対し、マネーフォワードはAI技術を活用した解決策を提示しました。今後の展開が注目されます。
サービス詳細:https://corp.moneyforward.com/